「はだしのゲン」を松江市内の小中学校図書館で子どもたちが自由に読めるように戻してほしい。
「はだしのゲン」過激描写理由に「閉架」に 松江
終戦記念日前後なので、こんな事が話題になってます。
松江市教育委員会: 「はだしのゲン」を松江市内の小中学校図書館で子どもたちが自由に読めるように戻してほしい。
こちらでは、こんな記事も・・・
はだしのゲンは世界に誇る名作マンガなのか?
マンガが小中学校の図書館にあるってことがそもそもびっくりなんですが、大人の事情・思惑的なものがあったんでしょうね
個人的にはこのマンガが図書館で読めるのなら手塚治虫の火の鳥とかのほうが歴史の勉強のためにはイイような気がします(史実と違うところもありますが、ヤマト編は古墳時代、鳳凰編は奈良時代、乱世編は平安末期、太陽編は7世紀頃)。読めば日本の歴史の一部は解ります。未来編はボタン戦争の虚しさを描いていて遠まわしに核へのアンチテーゼにもなっているし、そもそも読んで圧倒的に面白い!!
当時リアルタイムでジャンプを読んでいたのですが、このマンガ圧倒的にありませんでした 人気が。
もちろん私は戦争は体験してませんが、何故日本がアメリカと戦争したかとか原爆の恐ろしさとかはこのマンガを読まなくても知ってました。
原子力のパワーは鉄腕アトムで知ってたし、当時のアメリカと日本の国力の差がハンパなくてそれで日本は負けちゃったってくらいは一般常識として子供でも知ってました。
当時の少年ジャンプ
はだしのゲンの連載時期は1973年から。同じ頃人気があった連載マンガは「トイレット博士」、「包丁人味平」、「ド根性ガエル」、「アストロ球団」など。
トイレット博士では戦時中に角南先生の弟が食糧難で栄養失調で死んじゃう話とかも掲載されててこっちのほうがはだしのゲンよりインパクトがありました。
方や、以前実写化されたこともある「アストロ球団」
人間ナイアガラとかジャコビニ流星打法とかギャグにされてますが、当時の小学生はかなりアツく支持してました。
いちばん盛り上がったのがビクトリー球団との死闘。
相手チームのストッパーが刑務所帰りの元特攻隊員というとんでもない設定・・・
決め球が「ビーンボール投法」って・・・
この氏家ってピッチャー、数球投げただけで体力・精神力が消耗してみるみる老けて痴呆化しちゃうって物凄い設定です。
こちらはビクトリー球団の選手たち。思いっきりナチス式敬礼してます。オリンピックでれません・・・
氏家とアストロワンこと宇野球一の対決後のシーン。
こんなシーンをはだしのゲンと同時に掲載しちゃう当時の少年ジャンプ・・・
あとから考えるとこのシーンどうみてもパールハーバーで特攻とは関係ないし・・・
他のマンガからも戦争のことは学べた
個人的にマンガから戦争の怖さを知ったのは「あしたのジョー」
ジョーが東洋太平洋チャンプになってやった金竜飛っていう韓国人ボクサーとの防衛戦。
当時ジョーは成長期でバンタム級のウェイトが維持できず減量に苦しんでいるっていう設定でした。
で、対戦相手の金竜飛からとんでもないことを聞かされるんです。
金が子供の頃、朝鮮戦争の最中に食べ物を持った兵士を発見、ひもじかった金はその兵士から食料強奪、その兵士がゾンビ化してきたので咄嗟に撲殺。
後に殺したその兵士が金の父親だってことが判り、それ以来金は食べてもリバースしてしまい満腹中枢を破壊されてしまった・・・
だから、減量で苦しんでる矢吹は甘すぎる!!そんな矢吹に負けるはずがないってストーリーでした。
結局、食事はおろか水さえ飲めない減量苦を味わった力石のことを思い出して試合は勝利するんですけど、戦争の悲惨さは十分すぎるほど理解できるエピソードでした。
当時、現実世界でも輪島功一が柳済斗っていう韓国人ボクサーと伝説的な死闘を繰り返してたので子供ごころに「韓国人スゲー」とかって思ってました。
松本零士の戦場マンガシリーズ
同じ頃少年サンデーに不定期連載されていた松本零士の戦場マンガシリーズ。
ホントに不定期に掲載されていたのでコミックスで読んでいた方のほうが多かったのでは?と思います。
これは、96式艦上戦闘機。ゼロ戦の一世代前の海軍の主力戦闘機です。こんなマイナーな飛行機に対してもこの拘り・・。ビジュアル的にパっと見、見分けがつかないゼロ戦と隼の違いなども一目瞭然でした。
一式陸攻なぞは、銃撃くらったらあっという間に火だるま、ガンダムで言うボール的な存在で子供心に一式陸攻には配備されたくないなあとか思ってました。
「鉄の墓標」には四式中戦車が・・
物語冒頭で米軍戦車に瞬殺される日本軍にとってかわってシャーマンを撃破してます。
四式って実在してたかどうかも解らないんで、実際はアメリカにゃかなわんって思ってました。
これは、ゼロ戦に装備されていた照準機。ドイツのコピーです。
この照準機を命からがらUボートで日本まで運ぶお話が「わが青春のアルカディア」。
やっぱ、当時も「ナチスの科学力はせかいいちぃ~」だったんですね。
こんな具合に無駄な知識を仕入れてました。
アストロ球団も松本零士のマンガも決して戦争賛美のマンガじゃないし(なんせマンガですから)、逆に戦場マンガシリーズは戦争の虚しさもメッセージしてるんで、はだしのゲンを読まなくても戦争のことはわかる。はだしのゲンが日本が世界に誇れる名作マンガってことはないですね。
くどいようですがちっとも面白くなかったですもん・・・はだしのゲン。
子供の探究心をなめるな
当時も今もそんなに変わってないと思います。
子供は授業で習ったことは忘れちゃうけど興味があることについてはトコトン調べる。
ガンダムの動力源は電力だけどその電力は原子力で発電している。
未来の科学力で原子炉は小型化はできるが安全性が問題。
その問題はミノフスキー粒子っていうので遮蔽することでモビルスーツにも搭載可能になった。
くらいの知識は子供でもあります。っていうかこんな無駄な知識、子供じゃないと知らないかも?
こんなに単純じゃないけど、原子力って凄いけどちょっと危ないってのはガンダムとか絡めると彼らも解っているんじゃないか?と。